5年で5倍に成長したベトナムEC市場の未来は明るいのか?

ものすごい勢いで成長していると言われている「ベトナム」のEC市場。
実際はどの程度の成長しているか、他の東南アジアと比較してどうなのか、どんなプレイヤーが占めているのか、今後どんな可能性があるのか、リサーチしてみました。

(※個人の調査によるものです。信ぴょう性は保証しませんので、参考程度にご確認ください。)

ベトナムの EC 市場


ベトナムの EC 市場ですが、 2017年のベトナム市場規模は約1240億円。
2012年に250億だったのでそれと比較すると、5年で約5倍に成長しています。
成長率としてはかなりものすごいスピードなんじゃないでしょうか。

ただ規模としてはまだまだと言えるかと思います
日本の EC 市場と比較してみると、日本の EC 市場規模は約16.5兆円(2017年)になっています。
わずかベトナムは日本の0.7%の規模にしか過ぎません。

他の東南アジアと比較するとどうでしょうか。
市場規模としては実はタイ、マレーシアと近い水準であります。
(タイやマレーシアはベトナムより発展しているが、人口は少ない。)
やはり東南アジアの中で一番市場規模が大きいのは、最も人口が多いインドネシア、ついで所得水準が高いシンガポールとなっています。
その後続くのがタイ、ベトナム、マレーシアとなります。

ベトナムのインターネット事情


ベトナムのインターネットの普及率は78%(約7400万人)
2013年と比較して約30%近く増加していて、この普及率がEC取引を後押ししています。
ここ四年で、半分以下だったインターネットの普及率がほぼ8割程度を占めるようになりました。

そのせいもあってか、なかなか店舗とインターネット販売のすみ見分けが難しい状況になっているそうです。
というのも今だにインターネットで商品をチェックして、店舗に行ってキャッシュで買いたいと消費者は思っています。
ベトナム人のカードの保有率がとても悪いというのも原因の1つではありますね……!

カテゴリー別の売り上げ

ベトナムの EC 市場の アパレル関連のカテゴリが最も多く、42%。
ついで電子機器が31%、耐久消費財の13%という数値になっています。
ベトナムの EC 市場のほとんど以上がアパレルと電化製品に支えられている市場になっています

そのためベトナムの EC プレイヤーのトップは電子機器や周辺機器を販売している会社が多くなっています 。

ECの今後の可能性

ベトナムの EC 市場は日本の0.7%にすぎませんが、今後の可能性はあるんでしょうか。
ベトナムの生活状況から可能性をさぐって見てみたいと思います。

《化粧品やパーソナルケアカテゴリーに可能性あり?》


現在電子機器やアパレルが売上のほとんどを占めてはいますが、実は化粧品やパーソナルケアが可能性のあるカテゴリーと言われています。
というのも2017年以降から中間層がかなり増加しました。
この増加によって、見た目を気にする人がとても増えたためで、オンラインで化粧品やパーソナルケアカテゴリリサーチする人が増加しているためです。
C2C、特に個人が海外から輸入した商品を個人間で取引することが増えているそうです。
また私の肌感としては 、富裕層だけではなく多くの女性が、南国の強い日差しを気にして常に上着を着ていますし、サングラスやマスク帽子も外に出るときはかかしません。白い肌が良いとされていて、見た目をとても気にしているように思います。

《配送を制すものが勝者?》


また企業にとってみれば配送は今後の重要なキーポイントになってくるかと思います。
日本でもそうですが、消費者は「常に早く商品を届けて欲しい」と思っていますが、ベトナムの交通事情は最悪です。
バイクや車が乱立し渋滞なども発生しやすくなっており、また事故も多発しています。
(私も先日事故りました。w)

そのため企業によってはアウトソーシングの配送業者を頼らずに、独自の配送システムを整備し始めているそうです。
ここで消費者にとってはスムーズに買い物ができるという点において、差がつきやすいところかと思います。

これはAmazonが配送業者を独自で買収したり、倉庫を作ったりしてるようなものですね。
まさに配送を制す者がECを制すかもしれませんね。

《オムニチャンネルを意識すべし》

冒頭でも記載した通り、ベトナムのEC市場はたった5年で浸透し、短期間で人の買い物スタイルを変えました。
そのため、まだ消費者がそれについていけてない部分もあり、日本でもそうですが、ネットや店舗様々に連携したオムニチャンネルが重要なファクターとなっています。
消費者はオンラインでリサーチし、店舗で商品を確認し、現金をその場で払いたいと思っています。
特に電子機器など高額な商品に対してはそれは明らかです。
クレジットカードの普及率は悪いですし、高額の商品になるとなおさら不安はあるのではないでしょうか。
(そもそもECの決済は現金払い代引きが圧倒的に多いです。)

実際 、売上シェアの高いMobile WorldFPTなど現地の電子機器を専門に扱っている企業に関してはもちろんECの売り上げも伸びていますが、ショールーム店舗の拡大も同時に並行して続けているそうです。

ベトナム EC 市場のプレーヤー


売上別にみるとベトナムの EC 市場のブランドシェアの全体の約1/4を占めるのは「mobile WORLD JSC」が運営するMobile Worldが閉めます
よく目にするロゴはシンガポールの企業であるLazadaや,ベトナム企業で電子書籍の販売から始まったTiki.VNなどがありますが、実はこのモバイルはあるのが売上を占めているそうですというのも電子機器を専門に販売しているためでしょう。その単価が高いからだと思います。

おわりに

今後のベトナムのEC市場はどうなっていくのでしょうか。
東南アジアにまだ進出していなかったAmazon なども、東南アジア向けに進出準備し始めているそうです。
今はまだ物価が追いつかずに 、規模としては日本やシンガポールほど大きくはないですか、シンガポールより人口が圧倒的に多いインドネシアがシンガポールよりも規模が大きくなっているのは恐れ多いですね。

東南アジアは一括りにされやすいですが、一つ一つ国が島国だったり、交通事情も違ったり、人口や途上レベルもかなり違っています。共通する部分もありますが、その国その国にあったローカライズが今後のEC市場において重要になってくるのではないでしょうか。